「晴れていれば塗れる」は本当?外壁塗装の工期を延ばす5つの中止条件と、9月の大阪

皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。

工程表を1枚渡されます。着工日と完了予定日が並んでいて、その下に小さく「天候により変動する場合があります」。足場が建っているあいだは洗濯物の干し場も車の置き場も変わるので、堺市内の戸建てなら、この紙を見て家の段取りを組むことになります。それなのに、どれくらい変動するのかは書いてありません。

工事が止まる日は、雨が降った日だけではありません。

止まる日の条件は、国が仕様書に文字で決めています。9月の大阪がその条件に引っかかりやすい月であることも、気象庁の数字を並べれば見えます。

先に結論

国土交通省の公共建築工事標準仕様書は、塗装工事について「気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない」と定めています。外部の塗装にはもう1つ条件があり、「降雨のおそれのある場合又は強風時は、原則として、行わない」となっています。降っていなくても止まります。

気象庁の平年値で見ると、大阪の9月の降水量は152.8 mm。8月の113.0 mmより多い月です。

国が「塗らない」と決めている5つの日

公共建築工事標準仕様書の18章は塗装工事にあてられていて、その1節が共通事項です。塗装を行わない日として並んでいるのは、気温が5℃以下の日、湿度が85%以上の日、結露などで塗料の乾燥に不適当な日。採暖や換気を適切に行う場合は、この限りではないという但し書きが付きます。外部の塗装にはさらに、降雨のおそれのある日と強風の日が加わります。合わせて5つ。

このうち9月の堺で効いてくるのは、降雨のおそれです。塗ったばかりの塗膜は水に弱く、乾き切る前に雨が当たれば表面が流れたり白く濁ったりします。だから朝の空を見て、職人が引き返す日があります。施主から見れば「今日は晴れていたのに来なかった」日ですが、あれは塗らないと決めた日です。

もう1つ、強風の日も塗れません。風があると塗料が飛び、隣家の車や洗濯物にかかります。養生を増やせば済む話ではなく、飛んだ塗料は薄く乾いた粒になって付くので、あとから拭き取れません。

この仕様書は公共工事のためのもので、戸建て1棟の塗り替えに直接かかるわけではありません。ただ、塗料メーカーはこの仕様書に対応させた製品塗装仕様書を公表しています。気温と湿度の条件は、製品ごとのカタログにも書かれています。見積もりを取るときに使う塗料の名前を聞いておけば、あとから自分で確かめられます。

梅雨時にどう判断するかは以前に書いたので、考え方は梅雨の施工で譲らない品質基準に譲ります。

9月の大阪は、8月より雨が多い

気象庁が公表している大阪の平年値(統計期間は1991年から2020年)から、月ごとの降水量を多い順に並べます。

  • 6月 185.1 mm
  • 7月 174.4 mm
  • 9月 152.8 mm
  • 10月 136.0 mm
  • 8月 113.0 mm
  • 11月 72.5 mm

9月は年間で3番目に雨の多い月です。梅雨のふた月に次ぎます。8月との差は40 mm近くあります。

日照時間も見ておきます。8月は222.4時間、9月は161.6時間。3割近く落ちます。10月は166.1時間、11月は152.6時間。日が短くなって日射も弱まれば、塗膜の乾きはそのぶん遅くなります。

「秋は外壁塗装のベストシーズン」という言い方は、気温を指しています。塗料が乾くのに向いた温度帯という意味では合っています。雨の量で言えば、大阪で落ち着いてくるのは11月に入ってからです。9月と10月は秋雨前線が停滞し、台風も近づきます。台風の前後に何を見るかは9月に台風が増える理由と屋根の基準にまとめました。

雨が3日降っても、延びるのは3日で済まない

仕様書には「各塗装工程の工程間隔時間及び最終養生時間は、材料の種類、気象条件等に応じて適切に定める」という一文があります。工程と工程のあいだに空ける時間。それが工期の中身の半分です。

高圧洗浄をした翌日に下塗りができるのは、外壁が乾いているからです。雨が上がっても壁が濡れていれば塗れません。午前中は乾かして、午後から塗り始める日もあります。湿度85%という線は、雨上がりの朝にいちばん超えやすい線でもあります。

雨が3日降ったから3日延びる、という足し算にはなりません。乾かす時間がそのつど後ろへずれて、下塗りと中塗りの日程が翌週へ動きます。足場を予定より長く残すかどうかの判断も、ここで出てきます。

マンション1棟の外壁改修になると、このずれが週単位の差になります。当社の施工実績にある柏里第2住宅5・6号館外壁改修その他工事のような住宅棟では、足場の設置から解体までの日数が、そのまま居住者の生活にかかる期間になります。

「早く終わらせてほしい」には、法律が線を引いている

建設業法第19条の5第1項はこう定めています。「注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない」。第2項では、建設業者の側にも同じ禁止がかかっています。短い工期を頼むほうも、受けるほうも、法律で止められています。

工期の目安づくりは中央建設業審議会が担っています。令和2年7月に「工期に関する基準」が作成され、その実施が勧告されました。令和6年3月27日には見直しが審議され、同日その実施が勧告されています。国土交通省の報道発表によれば、この改定で自然要因として猛暑日における不稼働に関する内容が追記されました。

天候で動けない日を工期に織り込むのは、工事をする側の甘えではありません。基準に書かれている前提です。

施主の側から工程表を見るときに確かめられるのは、完了予定日の横に予備日が何日入っているかです。雨で止まったときの連絡方法、足場をもう1週間残すときの費用の扱い。この2つが見積書か契約書に書いてあれば、その会社は天候を計算に入れています。

受け取った工程表で、先に確かめること

9月に着工する工事の工程表は、日付の並びを読むだけでは足りません。雨で止まった日をどこで吸収するのか、その余白がどこに置かれているか。そこが読めれば、完了予定日の意味も変わります。

株式会社KYOEIは堺市と大阪府南部で、大規模修繕、外壁塗装、防水工事、雨漏り修理を手がけています。9月から10月に着工する工事なら、予備日を何日見ておくかを見積もりの段階でお伝えできます。他社から受け取った工程表でも、写真を1枚送ってもらえれば読めます。

株式会社KYOEI
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