「堺市の補助金で外壁塗装はできる?」市が制度名に『塗装は対象外です』と添えている理由

皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。

見積もりが手元にそろって、金額の見当がついたあと。多くの方が次に調べるのが補助金です。足場を組んで外壁をひととおり塗り替える工事は、家計にとって小さな出費ではありません。市から少しでも出るなら使いたいと考えるのは自然です。

堺市のホームページを開くと、制度の名前がこう書いてあります。「住宅・建築物防火改修等促進事業(外壁、屋根の塗装は対象外です。)」

括弧の中まで含めて、これがページの題名です。制度名の後ろにわざわざ断り書きを付けているのは、それだけ同じ質問が届いているからだと読めます。

では堺市の補助金は何に対して出ていて、塗り替えを考えている住まいの所有者に使える道はないのか。市が公表している資料から整理します。

先に答えを書きます

堺市に、外壁塗装そのものへ出る補助金はありません。市の制度は防火、耐震、断熱という3つの目的に絞られています。ただし、その3つに当てはまる工事を塗り替えと同じ足場の上で行うなら、補助の対象に入ります。条件は1つです。工事の契約より前に申請してください。

堺市の補助金は、何のために用意されているのか

住宅・建築物防火改修等促進事業の対象になるのは、準防火地域の中にある、耐震性能を有する既存の住宅です。

補助の対象工事は、屋根の防火改修、外壁と軒裏の防火改修、開口部(窓や玄関の戸)の防火改修、それから建築基準法施行令第136条の2に適合させる工事。これらと同時に行う戸と窓の断熱改修工事、壁、床、天井、屋根の断熱改修工事、壁の結露を防ぐ工事も対象に入ります。

補助額は、防火改修等工事費の3分の2以内で200万円が限度。工事費の3分の2という割合は、住宅の改修に出る補助としてはかなり手厚いほうです。

こうして並べると、市が何を買おうとしているのかが見えてきます。燃え広がらない街と、冷暖房の要らない住まい。塗り替えはそのどちらにも直接効きません。塗装は建物を長持ちさせる工事であって、火にも熱にも新しい性能を足す工事ではないからです。

だから題名に「対象外です」と書いてあります。制度の設計としては筋が通っています。

「うちは準防火地域じゃない」は、去年の秋に少し変わりました

ここで一度、思い込みを外しておきたいところがあります。

堺市は、商業地域を防火地域に、工業地域と工業専用地域を除く主に建蔽率60%以上の地域を準防火地域に指定しています。この指定が最初に決まったのは昭和23年12月13日で、最後に変わったのが令和7年10月31日です。

そのとき何が起きたか。堺市告示第419号「南部大阪都市計画防火地域及び準防火地域の変更」により、防火地域が約271ヘクタールから約275ヘクタールへ、準防火地域が約6,927ヘクタールから約6,935ヘクタールへ広がりました。準防火地域だけで約8ヘクタールの増加です。

数字だけ見ると小さく感じます。ただ、8ヘクタールは1辺およそ280 mの正方形にあたる広さで、そこに建っている住宅は相当な戸数になります。去年の秋までは対象外だった家が、今は制度の中に入っている可能性があります。

自分の土地がどう指定されているかは、堺市e-地図帳(http://e-map.city.sakai.lg.jp/)の「都市計画情報」から確かめられます。

なお、指定が広がったからといって、今建っている家をすぐ直す義務は生じません。施行日より前に法令に適合して建てられた建物は既存不適格建築物という扱いになり、そのまま使う分には新しい規制への適合義務は出ないと市が説明しています。適合させる必要が出るのは、増築や改築などを行うときです。

昭和56年5月より前に建てた家なら、耐震のほうに制度があります

もう1つの柱が耐震です。堺市の「耐震改修をお手伝いします」というページに、条件と金額が並んでいます。

対象は昭和56年5月31日以前に着工した建物です。耐震改修工事への補助は115万円。木造住宅を取り壊す場合は一戸建住宅で60万円、長屋と共同住宅で120万円。診断と同時に行う設計には12万6千円、シェルターの設置には設計5万円と工事30万円が用意されています。

締め切りがはっきりしているのが、この制度の性格です。令和8年度の申し込みは令和9年1月29日(金曜)まで。しかも「予算の執行状況により、期限前に受付を終了する場合があります」と市が明記しています。年度末までのんびり待てる制度ではありません。

外壁の塗り替えを考えている築45年を超える木造住宅なら、まず耐震診断を通してみる値打ちがあります。堺市では木造住宅の耐震診断員を無料で派遣しています。

足場を組む前に決める。これが唯一のコツです

制度を使うときに、いちばん多くの方が取りこぼすのがここです。

防火改修等促進事業は、事業着手前、つまり工事契約前に申請書を提出することになっています。耐震のほうも「補助金の申請は、設計や工事を実施する前に行ってください」と書かれています。塗装の契約を交わしたあとで気づいても、さかのぼって申請する道はありません。

もう1つ、足場の話をします。足場は一度組めば、塗装にも防火改修にも断熱改修にも使えます。窓を防火仕様の戸に取り替える、軒裏を燃えにくい材料で覆う、こうした工事を塗り替えと同じ時期にまとめれば、足場の費用が1回で済みます。別々の年に分けると、同じ足場代をもう一度払うことになります。

私たちが堺市とその周辺で手がけてきた外壁改修と大規模修繕の施工実績には、小林住宅3・4号館耐震改修工事のように、外装の改修と耐震の工事が同じ現場で動いた例があります。集合住宅でも一戸建てでも、足場をどう使い回すかという考え方は変わりません。

国の制度も、堺市のページから案内されています。みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業、賃貸集合給湯省エネ2026事業の4つです。対象になる工事は事業ごとに違うため、それぞれの公式サイトで確認してください。

塗り替えの前に、一度だけ地図を開いてください

堺市の補助金は、塗り替えには出ません。そこは市がはっきり書いています。ただ、その隣にある防火と耐震と断熱の制度は、塗り替えと同じ足場の上で使えます。

先にやることは2つだけです。堺市e-地図帳で自分の土地が準防火地域かどうかを見る。昭和56年5月31日以前に着工した建物なら耐震診断を申し込む。どちらも契約より前に済ませておけば、選択肢は残ります。

株式会社KYOEIは、大阪府堺市西区堀上緑町2-2-15を拠点に、堺市7区と高石市、和泉市などの大阪府南部を回っています。外壁の塗り替えを考えていて、補助金が使える建物かどうか分からないときは、建てた年と場所を教えてください。制度に当てはまりそうか、一緒に地図を見ます。電話は072-349-3278です。