「許可があるから安心」は本当?塗装業者の建設業許可が証明する4つと、しない1つ
皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。
台風が通り過ぎたあとの1週間ほど、堺市内でも飛び込みの営業が増えます。差し出された名刺に「大阪府知事許可(般-◯)第◯◯◯◯◯号」と小さく刷ってある会社と、何も書いていない会社。同じ週に2社が来たら、番号のあるほうを信じたくなります。
その勘は、半分だけ当たっています。
建設業の許可は、国か都道府県が会社を審査して出すものです。ただし審査の対象に、塗り方の腕は入っていません。許可が証明しているものの中身と、許可番号を1つ控えるだけで施主の側から無料で確かめられることが、この記事の中身です。
先に結論
建設業法第7条が並べている許可の基準は4つです。経営を管理する能力、営業所ごとの技術者、不正をしないこと、契約を果たせる財産。この4つに、施工の質は含まれていません。
その代わり、許可番号を1つ控えておけば、資本金の額も、許可を受けた年月日も、過去の行政処分歴も調べられます。大阪府知事許可の会社なら、提出された申請書そのものを大阪府庁の1階で無料で読めます。
「許可がない業者は違法」でも「許可がある業者は上手」でもない
建設業を営むには許可が要ります。建設業法第3条第1項がそう定めています。ただし条文にはただし書が付いていて、「政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない」となっています。戸建て1棟の外壁塗装は、多くがこの内側に収まります。金額の線引きは見積書の読み方とつながる話なので、見積書に「一式」とだけ書かれているときの見方に譲ります。
この線を超えたときが問題です。許可を受けずに建設業を営んだ場合、第47条第1号で「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」と定められています。届出を忘れた程度の手続き違反ではありません。刑事罰です。マンション1棟の大規模修繕を無許可で請け負う会社があるとしたら、それは価格が安い理由ではなく、別の種類の話になります。
許可を受けた会社が良い工事をする、とはどこにも書かれていません。建設業法をどれだけ読んでも、塗膜の厚みや下地処理の丁寧さを審査するという規定は出てきません。許可は営業の資格であって、施工の等級ではないためです。
許可が分けているのは身元です。腕の差はここには現れません。
建設業法第7条が並べている4つの基準
条文が挙げているのは次の4つです。
- 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること
- 営業所ごとに営業所技術者を置いていること。条文はその要件の1つを「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」としています
- 「請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと」
- 「請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと」
営業所技術者は、専任技術者とも呼ばれます。その営業所で契約と工事の技術面を見る担当者です。10年の実務経験か、それに代わる資格を持つ人がいなければ、その業種の許可は出ません。
大阪府は、これに加えて「適切な社会保険に加入」していることを許可の要件として案内しています。現場に立つ職人が労災や健康保険に入っているかは、施主からは見えません。許可を受けているということは、そこを一度は通過しているという意味になります。
さらに第3条第3項です。「第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う」。5年に一度、上の4つを見直されます。20年前に取ったきり、ということは起こりません。
ただ、この4つを何度読んでも、仕上がりの話は出てきません。
足場の金看板は、掲げる場所まで法律で決まっている
工事現場の足場に、会社名と許可の内容を書いた板が下がっています。建設業法第40条の標識です。
建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、(中略)標識を掲げなければならない
建設業法 第40条
読み取れることが2つあります。掲げる義務を負うのは、発注者から直接請け負った会社、つまり元請だけです。下請として入っている会社は掲げなくてかまいません。そして掲げる場所は「公衆の見やすい場所」です。道を歩く人から見える位置を指しています。工事関係者にだけ見える場所では足りません。
だから、許可を持つ会社が元請で工事をしていれば、足場の外側に標識が出ているはずです。近所で足場が組まれている家の前を通ったら、そこに会社名と許可番号が読めます。
逆に、標識が見当たらないからといって、その現場が直ちに違法とは言えません。許可を持たない会社は建設業法上の「建設業者」に当たらず、この義務の対象から外れるためです。分かるのは、許可のない会社が元請をしているか、掲示を怠っているか、そのどちらかまでです。
施主が無料で確かめられる3つの窓口
1つ目は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」です。会社名か所在地か許可番号を入れると、許可番号、商号、代表者名、本店所在地、支店所在地、資本金額、許可年月日、許可の有効期間、許可業種、兼業の有無、許可条件の有無が表示されます。名刺の番号と画面の番号を照らし合わせます。
見落とされやすいのが許可業種です。建設業の許可は、工事の種類ごとに分けて与えられます(第3条第2項)。外壁の塗り替えなら塗装工事業、屋上やベランダの防水なら防水工事業です。マンション1棟の大規模修繕になると、塗装工事業だけでは足りません。防水も鉄部の補修も同じ契約に入るためです。当社の施工事例に並ぶ双葉シティプラザ大規模修繕工事も、この種類の工事です。許可があるかを確かめたら、次は業種の欄を見ます。
2つ目は、同じく国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」です。国土交通省が所管する事業者の過去の行政処分歴を検索できます。建設業者のメニューがあります。
3つ目は、大阪府にいる人だけが使える手です。大阪府知事許可の会社であれば、提出された許可申請書や変更届出書そのものを読めます。場所は大阪府庁咲洲庁舎の1階にある閲覧コーナー、住所は大阪市住之江区南港北1-14-16です。午前9時30分から午後5時まで、昼の時間も開いています。土日祝と年末年始は休みです。手数料は無料で、運転免許証などの身分証の原本を提示して申込書を出せば、誰でも閲覧できます。経営事項審査の結果や解体工事業者登録簿も同じ場所にあります。
営業所を2つ以上の都道府県に置く会社は国土交通大臣の許可になり、この閲覧の対象から外れます(第3条第1項)。窓口まで行かずに社名だけ確かめたいなら、大阪府のサイトに建設業許可業者名簿がエクセルで置いてあります。令和8年3月31日現在のもので、半期に一度更新されます。
番号を控えるところまでは、その日のうちにできる
許可から分かるのは、経営の体制、技術者、財産、社会保険までです。塗膜の厚みも、シーリングの打ち替えを省いていないかも、そこには出てきません。そこは見積書の内訳と、その会社が実際に手を入れた建物を見るしかありません。
それでも、名刺や見積書に許可番号が刷ってあれば、その番号1つで会社の輪郭は無料で見えます。次に営業が来たら、断る前に番号だけ控えておいてください。
株式会社KYOEIは大阪府堺市西区堀上緑町2-2-15から、堺市の7区と高石市、和泉市、大阪狭山市のあたりまで出ています。マンションとビルの大規模修繕、外壁塗装、防水工事、雨漏り修理が仕事です。他社から出てきた見積書の許可番号や業種の欄で気になるところがあれば、072-349-3278まで電話をください。