「もう工事が始まったから断れない」は本当?リフォームのクーリング・オフ、8日間の数え方
皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。
台風が過ぎた次の週に、玄関のチャイムが鳴ることがあります。近所で工事をしていて、お宅の屋根が気になったので、という話から始まります。そのまま屋根に上がっていき、下りてくると写真を見せられます。瓦がずれている。このままだと雨漏りする。今なら足場がまだあるので安く済む。
不安をあおられた状態で、その場で断るのは難しいものです。
気がつけば契約書に署名していた。翌朝になって、家族から「それはおかしい」と言われる。ここからでも間に合います。
先に答えを書きます
自宅に来た業者と結んだ契約は、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、理由を言わずに解除できます。クーリング・オフといいます。
工事が始まっていてもかまいません。終わっていてもかまいません。すでに剥がされた箇所は業者の負担で元に戻させられますし、違約金も損害賠償も支払う必要がありません。払ったお金は返ってきます。
数えはじめるのは、契約した日ではなく書面を受け取った日です。
台風のあとに増えるのは、雨漏りの相談だけではありません
国民生活センターは、全国の消費生活センターに寄せられた「点検商法」の相談件数を公表しています。突然訪ねてきて点検を持ちかけ、不安をあおって契約に持ち込む手口のことです。
件数は2023年度が12,550件、2024年度が19,249件、2025年度が19,696件。2026年度に入ってからの分も、2026年5月31日までの集計で2,193件あり、前年の同じ時期の2,012件を上回っています。
屋根に絞った数字もあります。国民生活センターが2023年10月11日に出した報道発表によると、屋根工事の点検商法の相談は2018年度が923件、2019年度が1,157件、2020年度が1,824件、2021年度が2,352件、2022年度が2,885件でした。
5年で3倍を超えています。
同じ発表には、典型的な勧誘トークも挙げられています。近所で工事をしている。屋根が傷んでいるのを見つけた。火災保険で修理できる。今すぐ工事しないと雨漏りする。
4つとも、こちらが確かめようのない話です。屋根の上は見えません。保険が下りるかどうかは保険会社が決めます。雨漏りするかどうかは、次に雨が降るまで分かりません。相手はそれを知っていて、確かめられない場所の話をしています。
火災保険がどこまで使えるのかは、火災保険と雨漏りの線引きに書きました。「保険で無料になる」という説明が、なぜそのまま受け取れないのかも整理しています。
8日間は、いつから数えるのか
対象になるのは訪問販売です。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、営業所等以外の場所、たとえば消費者の自宅で契約を結んだ取引と定めています。路上で声をかけられてついていった場合や、電話で呼び出された場所で契約した場合も含まれます。
数えはじめる日が肝心です。契約書に署名した日ではありません。法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内、と定められています。
決め手は、その紙に書かれた日付。
その書面には、商品やサービスの種類、価格、支払いの方法、引き渡しの時期、そしてクーリング・オフについての説明を記載することが、事業者に義務づけられています。手元の紙にこれらが揃っているかどうかは、その場で確かめられます。
通知の出し方も変わりました。以前は書面だけでしたが、2022年6月から電子メールなどの電磁的記録でも通知できるようになっています。どちらで出すにしても、送った内容と日付が残る形にしてください。はがきで出すなら両面をコピーしておきます。
もう1つ、契約の入口についての決まりがあります。事業者は勧誘に先立って、自分の氏名、勧誘が目的であること、扱う商品の種類を告げなければなりません。挨拶に来ただけという体裁で話を始め、契約を勧める目的を最後まで名乗らないなら、その時点で法律の求めから外れています。
工事が済んでいても、お金は要りません
ここがいちばん誤解されているところです。
消費者庁の特定商取引法ガイドは、役務がすでに提供されている場合でも、その対価を支払う必要はないと書いています。損害賠償や違約金を支払う必要もなく、代金は返還されます。壁を剥がされていたとしても、無償で元に戻してもらえます。材料や商品を受け取っているなら、業者の負担で引き取ってもらえます。
つまり「もう足場を組んでしまった」「もう瓦を外した」と言われても、8日以内なら結論は変わりません。
むしろ、契約した翌日に工事を始めようとする動き方そのものを疑ってください。まともな段取りなら、材料の手配と近隣への挨拶と足場の申請で数日は動けません。急ぐ理由があるとすれば、それは建物の側ではなく相手の都合です。
外壁のひび割れを見せられて不安になった方は、外壁のひび割れがどこから危ないかも読んでみてください。写真を撮って見せられただけでは、緊急なのかどうかは判断できません。
自分から呼んだ業者は、話が変わることがあります
ここは正確に書きます。
特定商取引法第26条には適用除外の定めがあり、消費者の側から自宅での契約の申込みや締結を請求した場合には、訪問販売の規定の多くが適用されません。クーリング・オフもここに含まれます。ただし、氏名などを明示する義務と、断った相手に再び勧誘してはいけないという決まりは、この場合も適用されます。
問題は、どこまでが「請求」に当たるかです。点検だけを頼んだ場合、見積もりだけを頼んだ場合、電話で「一度見に来てほしい」と言っただけの場合。契約に至った経緯によって判断が分かれます。ここを自分で決めてしまわないでください。
堺市内に在住、在勤、在学の方は、堺市立消費生活センターに相談できます。電話は072-221-7146です。受付は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までで、土曜日、日曜日、祝休日、年末年始は休みです。8日を過ぎてしまったと思っている場合でも、書面の中身によって扱いが変わることがあるため、まず事情を話してみてください。
当社の立場も書いておきます。8日間を待てない工事は、ほとんどありません。屋根に穴が空いていて今日ブルーシートをかけるべき状況と、外壁を全面的に塗り替える契約を今日決めるべき状況は、まったく別の話です。応急処置は急いで、契約は急がない。この2つを分けて考えられる業者かどうかが、判断の材料になります。
今日、手元で確かめられること
契約書面を探して、受け取った日付を見てください。そこから8日を数えます。まだ中にいるなら、解除の通知を書いて、送った記録が残る形で出します。
過ぎていると思っても、その紙に価格や工期やクーリング・オフの説明が書かれているかどうかで話が変わることがあります。堺市立消費生活センターの番号は、この記事の上に書きました。
株式会社KYOEIは大阪府堺市西区堀上緑町2-2-15を拠点に、堺市7区と大阪府南部でマンションやビルの大規模修繕、外壁塗装、防水工事、雨漏り修理を手がけています。訪問して契約を勧める営業はしていません。
他社に見せられた写真の判断がつかない、という相談でもかまいません。電話は072-349-3278です。