「泉北ニュータウンは築50年」は本当?同じ泉北で修繕の時期が15年ずれる理由
皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。
泉北ニュータウンの管理組合の集まりで、こんな会話を耳にすることがあります。「泉北はどこも築50年やから、そろそろ次の大規模修繕やろ」。ところが隣の住区のマンションでは前回の工事が5年前で、話がまるで噛み合いません。
泉北ニュータウンのまちびらきは1967年(昭和42年)12月です。ただし、町づくりそのものが終わったのは1983年3月でした。同じ「泉北」という呼び名の中に、建った年が15年以上離れた建物が混ざっています。
自分のマンションが泉北のどの世代にあたるのか。公表されている年表から確かめる手順を書きます。
先に答えを書きます
泉北ニュータウンの建物は、東の泉ヶ丘地区から西の光明池地区へ、順に建てられました。住区が違えば、修繕の時期も違います。
先に確かめるのは、自分の建物の竣工年と、前回の大規模修繕の年です。この2つの数字が出れば、次の工事が何回目にあたるかが決まります。金額の話はそのあとです。
泉北ニュータウンは、いつからいつまで建てられた町なのか
事業主体は大阪府です。事業期間は1965年(昭和40年)12月から1983年(昭和58年)3月まで。入居が始まったのは1967年12月で、泉ヶ丘地区の宮山台が最初でした。
開発面積は約1,557ヘクタール。うち堺市分が約1,511ヘクタール、和泉市分が約46ヘクタールです。3地区16住区に分かれ、計画戸数は約54,000戸、計画人口は約18万人。西日本でも最大級の規模です。
建設は東から西へ進みました。泉北高速鉄道の駅が開業した年が、その進み方をそのまま示しています。
- 中百舌鳥から泉ヶ丘まで:1971年4月1日
- 泉ヶ丘から栂・美木多まで:1973年12月7日
- 栂・美木多から光明池まで:1977年8月20日
鉄道は町の完成に合わせて延びていきました。裏を返せば、光明池のあたりに人が住み始めたころ、宮山台はすでに10年目を迎えていたということです。
2026年の今、宮山台の建物は59年目に入りました。事業が終わるころに建った建物なら、築40年台の前半にとどまります。
「泉北は築50年」という言い方は、町全体をならせば当たっています。個々の建物に当てはめた瞬間、15年から20年の幅が消えてしまいます。
泉北の住宅の4分の3は集合住宅。だから話が噛み合わない
堺市の資料によると、泉北ニュータウンの住宅は、全体戸数の4分の3が公的賃貸住宅や分譲マンションなどの集合住宅です。残る4分の1が戸建住宅やタウンハウスなどの低層住宅にあたります。
内訳をもう一段見ます。府営住宅、大阪府住宅供給公社の賃貸住宅、UR賃貸住宅を合わせた公的賃貸住宅だけで、泉北ニュータウンの総住宅数の約半数を占めています。
ここが泉北の特徴です。
公的賃貸住宅の改修や建て替えは、「泉北ニュータウン公的賃貸住宅再生計画」という行政の計画に沿って進みます。平成24年3月に堺市と大阪府などが策定し、令和4年4月に改定された計画です。住んでいる人が時期や費用を決める仕組みにはなっていません。
分譲マンションはこの計画の外にあります。いつ工事をするか、いくら積み立てるか、どこに頼むか。すべて管理組合が自分たちで決めます。
同じ泉北で、同じ年代に建った建物でも、決め方は別物です。近所の団地に足場が架かったのを見て「うちもそろそろか」と考えても、時期の参考にはなりません。工事の中身を決めるときも同じで、どこまでが組合の仕事なのかを先に押さえておく必要があります。マンションの共用部分と専有部分の境界が、その土台になります。
築年数より先に、竣工年と前回の工事年を紙に出す
「うちは何年に建ったのか」を正確に答えられる管理組合は、思っているほど多くありません。理事が1年か2年で交代する組合ならなおさらです。
手元で確かめられる書類は次の4つです。
- 竣工図書の表紙。工事が終わった年月が入っています
- 管理規約の制定日
- 過去の総会議事録。前回の大規模修繕を決議した回があります
- 長期修繕計画書。作成年と、計画期間の始まりの年が分かります
このうち2つが揃えば、竣工年と前回の工事年はほぼ確定します。
数字が出たら、次の工事が何回目にあたるかを数えます。回数が分かると、見るべき場所が変わります。大規模修繕が回を追うごとに早まるという国の調査結果も、何回目かが分からないままでは使いようがありません。
堺市のマンション管理計画認定制度も、同じ数字を求めています。認定の基準では、長期修繕計画の計画期間が30年以上で、かつ残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれていることが条件です。認定の有効期間は5年間で、期限までに更新の申請が要ります。
自分の建物が何年に建ったのかを言えなければ、この基準を満たしているかどうかも判断できません。
15年の開きは、見積もりを取る前に効いてくる
同じ住区の別のマンションが出した工事金額を、そのまま自分の建物の目安にしようとする組合があります。建った年が10年以上違うなら、その数字は当てになりません。
差が出るのは次のあたりです。
- これまでに何回工事をしたか。回数が増えるほど、手を入れる場所が増えます
- 外壁の仕上げ。使われている材料は年代で変わります
- 住棟の数と配置。足場を全棟同時に架けるか、棟を分けて回すかで、仮設の費用と工期が変わります
- ベランダや共用廊下の形。手すりが金属かコンクリートかで、塗る面積が変わります
だから、金額の話に入る前に建物診断をします。棟ごと、面ごとに劣化の進み方は違います。南に向いた面は紫外線で塗装の膜が痩せ、北に向いた面は乾きにくく藻が出る。同じ建物の中でも、傷み方は一様になりません。
診断してから金額を出す。順番が逆になると、工事が始まってから追加が出ます。
総会の前に、年表を1枚作る
竣工年、前回の大規模修繕の年、長期修繕計画の作成年。この3つを紙に書き出して、理事会で共有してください。泉北のどの世代にあたるのかが分かれば、次の議論の土台ができます。
株式会社KYOEIは大阪府堺市西区堀上緑町2-2-15を拠点に、堺市7区と大阪府南部でマンションやビルの大規模修繕、外壁改修、防水工事を手がけています。双葉シティプラザ大規模修繕工事やハイマート弥刀大規模修繕工事のような分譲マンションの現場と、柏里第2住宅5・6号館外壁改修その他工事のような集合住宅の外壁改修が仕事の柱です。
図面が見当たらない、竣工年が分からないという状態でも構いません。建物の外観と、気になっている箇所の写真をお持ちください。現地を見ながら、次に手を入れる順番を一緒に整理します。電話は072-349-3278です。