「外壁の張り替えに確認申請は要らない」は本当?2025年4月に木造2階建てが入った『過半』の線
皆さま、こんにちは!株式会社KYOEIです。
継ぎ目が反ってきたサイディングを見てもらったら、「これは塗るより張り替えです」と言われた。届いた見積もりを開くと、下のほうに「確認申請」という行があります。金額も入っている。10年前に塗り替えたときには、なかった行。
役所の手続きが要る工事と、要らない工事があります。その境目は、2025年の春に一度動きました。
どこが動いたのか、自分の家の工事がどちら側なのかを、条文と国の通知から確かめます。
答えから書きます
塗り替えは要りません。既存の外壁の上から新しい板をかぶせる重ね張りも要りません。
確認申請が必要になるのは、下地まで含めて外壁を作り直す張り替えが、建物の見付面積で過半に及ぶときです。そして2025年(令和7年)4月1日から、木造2階建ての住宅がこの対象に入りました。前日までは、同じ工事をしても手続きは不要でした。
動いたのは、条文の号の振り分けでした
確認申請の要否を決めているのは、建築基準法第6条第1項です。2025年3月31日まで、柱書はこうなっていました。
建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(略)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、(略)確認済証の交付を受けなければならない。
建築基準法 第6条第1項(2025年3月31日まで)
大規模の修繕と大規模の模様替が並ぶのは、第一号から第三号までの建築物だけです。第四号は「建築しようとする場合」しか挙がっていません。
では、木造2階建ての住宅はどこにいたのか。旧第二号は「木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの」でした。木造は3階建てからです。旧第三号は「木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの」。木造は入りません。
残るのは第四号でした。建てるときは確認申請が要る。けれども大規模の修繕をするときは要らない。長いあいだ、この形が続きました。
改正後は号が1つ減り、現行の第二号がこう書かれています。
前号に掲げる建築物を除くほか、二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物
建築基準法 第6条第1項第二号(現行)
「木造の」が消えました。階数が2以上あれば、構造を問わず第二号です。そして柱書は、第一号と第二号の建築物について大規模の修繕と大規模の模様替を挙げています。
2階建ての家が、この日から手続きの側へ移りました。
平屋で延べ面積200平方メートル以下の家なら、いまも第一号にも第二号にも入りません。第三号に大規模の修繕は並んでいないので、手続きは要らないままです。
「大規模の修繕」は、マンションの大規模修繕とは別の言葉です
言葉が紛らわしいので、先に切り分けます。
建築基準法第2条第十四号は、大規模の修繕を「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう」と定めています。第十五号の大規模の模様替も、作りは同じです。
その主要構造部は、同じ条の第五号にあります。
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床(略)その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
建築基準法 第2条第五号
外壁は「壁」です。屋根もそのまま挙がっています。外壁と屋根の工事が、規模しだいで大規模の修繕になるのは、この一文が理由です。
いっぽう、管理組合が12年ごとに検討する「大規模修繕工事」は、建築基準法の用語ではありません。中身が塗装や防水にとどまるなら、主要構造部の過半を作り直すことにはなりません。大規模修繕が回を追うごとに早まるほうとは、別の物差しです。
なお「過半」は半分を超えることです。ちょうど半分は入りません。
塗り替え、重ね張り、張り替え。分かれ目は「外壁の全ての材」
外壁の工事のどこからが過半の修繕にあたるのか。国土交通省住宅局建築指導課長が、令和6年2月8日付の国住指第355号「屋根及び外壁の改修について」で考え方を示しています。
まず、外装材だけを取り替える工事です。
外壁の外装材のみの改修等を行う行為、又は外壁の内側から断熱改修等を行う行為は、法第2条第14号に規定する大規模の修繕及び同条第15号に規定する大規模の模様替には該当しないものと取り扱って差支えない。
国住指第355号(令和6年2月8日)
重ね張りも同じ扱いです。
既存の外壁に新しい仕上材をかぶせるような工法による改修等を行う行為は、(略)大規模の修繕及び(略)大規模の模様替には該当しないものと取り扱って差支えない。
国住指第355号(令和6年2月8日)
ただし但し書きがあります。外装材だけの改修でも、それが外壁の全てを改修することにあたるなら、この限りではないとされています。数え方はこうです。
外装材の改修等を行うことで外壁の全ての材を改修することになる場合、その改修部分の見付面積が過半であれば、大規模の修繕又は大規模の模様替に該当する。
国住指第355号(令和6年2月8日)
見付面積は、建物を正面から見たときに目に入る壁の面積です。床面積ではありません。北面だけを張り替えるのか、四面まわすのかで、答えが変わります。
塗り替えは、板も下地も入れ替えません。外装材だけの改修でさえ当たらないと書かれているのですから、塗装がここに入る余地はありません。
屋根も整理は同じです。ふき材だけを取り替える工事と、既存の屋根に新しい屋根をかぶせるカバー工法は、どちらも該当しないとされています。
境目に来るのは、板をはがして、防水シートと下地の面材まで作り直す張り替え。直張りのサイディングで反りが出ている建物は、この選択に近づきます。板の裏に水が残る作りかどうかは、サイディングの反りと通気層の有無のほうで書きました。
該当したとき、堺市では何が起きるか
堺市は政令指定都市で、自前で建築確認を扱っています。窓口は建築都市局開発調整部の建築安全課。市役所高層館13階の審査係が、確認申請の審査を担っています。指定確認検査機関へ出す道もあります。
手数料は市が表で公開しています。確認申請は、床面積100平方メートル以内で38,000円、100平方メートルを超え200平方メートル以内で50,000円です。この表は令和7年4月1日から適用されています。建築基準法と建築物省エネ法の改正を受けた改定だと、市は説明しています。
ただ、効いてくるのは金額よりも日数です。確認済証の交付を受けるまで着工できません。足場の予約も職人の手配も、その後ろに並びます。
見積もりを見るときは、次の4つを聞いてください。
- 張り替える面が、外壁全体の見付面積のどのくらいにあたるか
- 下地や防水シートまで取り替える計画か、板だけを替えるのか
- 確認申請が要るなら、誰が申請し、手数料と図面の費用がどこに入っているか
- 確認済証が下りるまでの日数が、着工日の前に見込まれているか
聞いて答えが返ってこないなら、まだ計画が固まっていないということです。
「張り替え」の2文字を見たら、面積を聞く
見積書に張り替えと書いてあっても、それだけでは手続きの要否は決まりません。決めるのは、どの面を、どこまではがすかです。塗り替えと重ね張りで足りるなら、話はもっと手前で終わります。
図面がなくても構いません。反っている面がどこか、何面あるか。写真とメジャーの数字があれば、見当はつきます。
株式会社KYOEIは大阪府堺市西区堀上緑町2-2-15を拠点に、堺市7区と大阪府南部で外壁塗装、防水工事、大規模修繕、雨漏り修理を手がけています。大国住宅1号館外壁部分改修その他工事のように、外壁のどこまでに手を入れるかを決めてから着工します。
反った板の写真を1枚送ってもらえれば、塗るか、かぶせるか、はがすかの見当からお答えします。電話は072-349-3278です。